ハロウィーンでやって来るもの
――ハロウィーンだと、妖怪(?)というかそういう精霊が出てきているの?
精霊、妖怪、悪魔、えやみ(疫病)神。
――全部じゃないですか!
そう。なぜなら、日本人の認識が、全部にしているから。
むこう(西洋)だったら、精霊と先祖さんという認識じゃない?
認識で、ものが来るポータルが変わるみたい。
――だいたいハロウィーンってなんなのかがわからないうちに、日本でも大騒ぎになってて…(笑)。収穫祭だよね。
収穫祭だし、先祖さん供養だし、自然界の精霊との間の境界線が近くなるんじゃないかな。
そっちの方が強くなるからみんな仮装したりして、(精霊とも)仲間ですよ~って。
――夏祭りのお面をかぶるのと一緒だね。
そうそう、あれもお盆から来てる。
お面をかぶれば、死者が来てもわからないように。
それも、祭るということで、いっしょに一日を過ごすってことになる。
なまはげとは?
――なまはげも?
なまはげは、閉鎖空間の中で悪いことしてはダメだよ~って。
――あれは妖怪ですか?
あれは神の一種。
精霊の一種だ。
鬼とも違う。
あれは子供にとっての初めての「制約」なんだ。
――子どもにとっては、めちゃくちゃ怖いですね。
ここの土地ではこういう伝承なんだけど、その伝承が下った時にその場所の伝承とくっつく(=変化していく)。
ハロウィーンなんかもそうじゃない。
それで奇祭になる。
ほとんどそこの土地の人たちは何の祭りかわかってない(笑)。
――クリスマスもそうじゃない。なんだかわかってない。クリスマスってサンタさんがプレゼントをくれる日になってるよ。
――どこかの国では、プレゼントではなく、一年間の下着を送るっていうのもあるって。
――それ、つまんないね。おもちゃとかじゃなくて。
――私、幼稚園くらいから、サンタクロースなんていないって言ってた(笑)。
え、いるよ。
サンタクロースはいるよ。
八百万の神、という強み
え、いるよ。
サンタクロースはいるよ。
トナカイも飛んでる姿が見えるはずだよ。
アイルランドの伝承ではなくて見える場所があるからね。
――日本って何でもありだから。
だから八百万の神なんだよ。
面白いのは、(外国から)すごくねじ曲がったヤツが来ても、「あ~神様が来てくれた~云々」って言ってると、ねじ曲がったなりに神様になるんだよね。
そうすると抑えられるんだよね。
――そのあたり、日本人ってすごいよね。
すごい。おさめちゃうもの。
あなたはあなたでしょ、って。
――多宗教が共存できる。
忘れた日本の寛容さ
キリスト教が初めて日本に来て、(宣教師が)私たちの神様がこんなにすごいんですよって布教しても、え~?って言われて、うち(日本の)の神様は何をやったって怖い罰やバチを当てないよ。
友達としてできる範囲、そして神様ができる範囲、人間ができる範囲でやっていて共存しているのに、なんでその神様が要るの?
って布教がダメだったの。
だから大名とかを介して布教していったの。
――なるほどね。上からじゃないと布教できなかったんですね。
――イスラム教も日本では普及しませんでしたね。
イスラム教から、来たわけだから。
ダビデの紋章っていうのはいろんなところに、隠れダビデであるじゃない。
――伊勢の伊雑宮はそうだよね。
五芒星であって六芒星ではないんだ。日本は。
(伊雑宮、伊勢は六芒星。安倍晴明は五芒星)
地、水、火、風、月、太陽。
日本人ってそういう点ではアバウトだったり、寛容。好奇心も。
一神教になり得ないで、九十九(つくも)のほうに入って行っちゃった。
その寛容さが、今、どこまで日本人が日本人として思い出せているのか。
忘れているよね、ぎすぎすしたり…。
(2023年10月)
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