紡ぐ(つむぐ)という日本語はほとんど使われることがないが、改めて考えると美しい響きと豊かなイメージをもつ言葉である。私たちの人生も、紡ぐ作業であるという。
―「つむぐ」の意味は?
「繋がる(つながる)、織る(おる)、おりなす、お互いに形を作って絵にする。」ということ。
波動的なタペストリーで、(音の)和音、倍音もタペストリーだね。
―巫女さんは神話では機織りをしている。どうも機織りと神事は関係があるようだね。
機織りの音も関係する。
心臓の音、血流の音。
―何千年、何万年の人の魂の遍歴や縁などの形が織物として表現されることがある。
アボリジニの記録もタペストリー。
目で見えるものもよいが、(五感)全体で感じるタペストリーもいい。
―私たちのこのお話し会も1年半のタペストリーがある。メンバーそれぞれのタペストリーを持ち寄っているね。
それぞれの経験があって、それぞれの疑問があって経糸と横糸になる。
「腑に落とす」ということは経糸と横糸が合致するということだ。
―今自分がある中にもっと昔の自分がいた、それがつむいで今がある。織りなしている。
とてもイメージを呼び覚ます言葉。だから隠されたんじゃないの。
―繭(まゆ)から糸を引き出すことが「紡ぐ」。「何かから引き出す」というのがいろんなイメージがわく。糸を引き出す人が紡ぎ手。私たちのこの座談会からそれぞれが糸を引き出して、自分の織物を作っていく。
「つむぐ」という視点で一日過ごすと何かが変わるかもね。
(2014年2月収録 この記事は4年前に掲載した内容のリライトです)
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