死者数の急増の理由は推測してもいけないのか?

問題 下のグラフはコロナウイルスの流行が始まった2020年からの日本の死亡者数の月別推移です。2021年以降、死者数が増えた原因を考えて、答えなさい。

 

 

こんな中学校の入試問題があったとする。

子どもに問われて、この問題に答えられる大人がどれくらいいるだろうか?

どうしてこんなに死んでいる人が増えているのか?

4年前と比較すると、月間で軒並み1~4万人も増えている。

 

社会人であるはずの私たち大人、医者、専門家も、なぜか答えられない。

事情があって答えられないのか、わかっていても答えたくないのか、考えたくないのか…。

もしかしたら子どもの方が簡単に答えられるかもしれない。

 

138万(2020年)、145万人(2021年)、158万人(2022年)と、年間で約10万人ずつ死者が増えたにも関わらず、原因は不明だというのだ。これだけ科学の発達し、宇宙旅行も可能な時代に、こんな明快なこともわからないか、答えられないのである。

少子化問題がクローズアップされる中、年8、9%ほどの割合で増加というよりは激増した死者数が一向に問題視されていない、この社会の空気感が不思議でならないのである。

専門家も、医者も、マスコミも、モリカケや桜を見る会では大騒ぎした野党もすべて沈黙していることが不思議でならない。

この4年の死者数の増加は、高齢化社会の自然増加でないことは誰でもわかるし、自殺者や交通事故死者が急増したわけでもない。「死因はコロナ」と強引にカウントされ、盛りに盛られたコロナ死者数も累計で6、7万人程度である。

コロナが原因とは安易に結論付けてよく、ワクチンが原因とは結論付けてはならず、因果関係不明の一点張りである。

 

最後に2つ記事を紹介したい。

下の記事①は、「22年の死亡158万人超、戦後最多 コロナ余波も」と題しているが、その原因は「コロナに感染して全身状態が悪化し、コロナ以外の死因で亡くなる患者が増えた可能性がある」と推測。

もう一つの超過死亡の増加の記事②「日本人は「超過死亡増加」の深刻さをわかってない」では「長期の自粛により持病を悪化させた高齢者が多かったことだろう。」と推測。

こんな曖昧な推測しかできないにも関わらず、ワクチンが原因であるとは、推測してもいけないようである。

なんというオトナの事情なのだろう。(2023年8月26日)

 

下は参考記事①、②(赤字は筆者)


記事① 「22年の死亡158万人超、戦後最多 コロナ余波も」(日本経済新聞)

厚生労働省が28日に公表した人口動態統計(速報)では、2022年の国内の死亡数、前年比の死亡増加数ともに戦後最多となった。新型コロナウイルスによる死亡に加え、心不全などで亡くなる高齢者が急増している。

22年の国内の死亡数は158万2033人で、前年より12万9744人(8.9%)増えた。

22年初めの第6波以降、新型コロナの流行の中心となっているオミクロン型は致死率が低下しているとみられるが、感染力が強い。厚労省の集計では22年にコロナ死亡の報告数は約3万9千人で、前年(約1万5千人)より約2万4千人増えた。

コロナ以外の死因で亡くなる人はさらに増えている。

厚労省が約5カ月遅れで公表している22年1〜9月までの死因別死亡数を前年と比較すると、全体で約8万1千人増加した。このうちコロナの死亡数は約1万5千人、循環器系の疾患は約1万7千人、老衰は約1万8千人それぞれ増えた。年代別では循環器系の疾患や老衰で亡くなっている人の多くは80代以上だった。

感染症などの専門家は2月22日に死亡数の増加について見解を公表。「コロナに感染して全身状態が悪化し、コロナ以外の死因で亡くなる患者が増えた可能性がある」と推測している。

コロナの流行が始まった20年は感染対策で死亡数は減少したが、21年は反動もあり増加した。2年間の合計では平年を大きく上回る超過死亡は生じていなかった。

感染症などの専門家は見解で「現時点で、ウイルス変異による重症度が悪化しているという報告はない」とするが「今後の感染状況を把握するためのさらなるサーベイランスが必要」と指摘している。(社会保障エディター 前村聡)


 

② 日本人は「超過死亡増加」の深刻さをわかってない(東洋経済)

わが国で、重症者・死亡者のコロナ感染の見落としは考えにくい。共同通信が超過死亡の原因として、真っ先に「医療逼迫の影響で医療機関にアクセスできず新型コロナ以外の疾患で亡くなった」ことを挙げているが、これも考えにくい。
(中略)
兵庫医科大学の稼動率は36%、国立国際医療研究センターの稼動率は42%にすぎない。病床が逼迫していた訳ではない。
都立のコロナ基幹病院に勤務する内科医は、今夏の状況について、「入院しているコロナ感染者などはほとんど中等症止まりで軽症も多かった」という。これは、オミクロン株が重症化しにくいからだ。局所的に病床が逼迫した病院はあっただろうが、医療逼迫が死者を増やすレベルでなかったのは明らかだ。
もっとも考えられる原因は、長期の自粛により持病を悪化させた高齢者が多かったことだろう。日本経済新聞は10月16日の記事「コロナ以外の死因大幅増 1~3月、高齢者の在宅死影響か」の中で、「死因別では、最も増加したのは心不全など『循環器系の疾患』で約1万人(10%)増えており、「老衰」も約8000人(21%)増えた」と論じているが、遅きに失したと言わざるを得ない。

 

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