コロナによって通勤が減り、テレワークという働き方や移住も増え、住まい方にも大きな変化がもたらされた。
誰も誰かを守れない
――ここまでの大きな変化が来るとは何年か前には思わなかったよね。急速な感じですよね。もともと変化はあったけど。今後の変化も心構えはしていた方がいいし、びっくりしてパニックになるのではなくて、やっぱり来たんだって思えるほうがいいですよね。
――食料についても、田舎の方が豊かになる可能性はありますよね。東京が一番貧しくなる可能性はあるかもしれない。タワーマンションは住めなくなりそうですね。
価値観がひっくり返されたでしょ。
幻想の幕がはずれたら、あれ、何よって。戸建てかアパートとか。
――それと、災害があると何も川のそばに住まなくてもねえって思いますよね。
だから選択の方法をよく考えて、自分の身や家族の身を守ることをするしかない。
――今までは昔から住んでいたからって言うかもしれないけど、もう命あっての物種になってきていますよね。
選択の仕方が変わってくるんだ。
極端な人たちになる。命あっての物種だっていう人と、今までのままという人と。どっちもありだ。
誰も、誰かを守ってくれない。その認識。
甘いこと言っていられなくなるんです。
――しなければならない選択も、だんだんシビアは選択になるね。どっちも難しいけど、どっちか選ばないとって…。
自分と周りが、どちらを選んだら有効なのか、シンプルに選択するべきだと思う。それをやってこなかったじゃない。誰それがそう言ったからとかでね。
それがとても必要になると思うんだ。住むところも含めてね。
――これをやったら誰それに悪いとかね。
その建前がいらなくなるんだよ。
――研究が進んでいるから、水害になるときに浮く家を作るとか?
――地震の時はどうなるのかなあ(笑)。免震構造とか。水に浮くのと免震とどうするのかなあ。
だから単純なんですよ。
低いところは水が出る。山の裾は崩れる。
――最近若い人がおしゃれだってウォーターフロントとか言って住むじゃないですか。
だからそういう時に、本当に自分で考えて選択しているのか。踊らされて考えずにやるのか。
――売る人は買ってないと思う(笑)。
そこの違いは若いとか、年取ってからは関係ない。
――昔その場所に災害があったかとか、昔を調べる必要があるよね。
地形は大事だからね。ただしそれを調べる人と調べない人、カッコがいいからって選ぶ人。
――それってその人の生き方の結果というか、縁が出てくるよね。
それともうひとつは土地も呼ぶんですよ。
(続く)
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