前回の続き。この写本の解読は、文字の研究というアプローチの他に、感じるという感覚的なものもあるように思う。科学だけの研究者では理解しにくいだろう。
――こういうのもあるんですよ。
これ時間じゃないかな。
あ、これは星読みだ。これが「風」を読むの。地球の季節の風。
やっぱりこれは上から見た生命の木でしょ。下が星だから。
――何の図だかわかるんですか?
感覚だから。でも一番わかりやすいと思うけどね。
――西暦1400年に書かれているらしくて…。
だから原本じゃないんじゃないですか。その時代の人にわかりやすく書いたんじゃないの。
音だと思うけどな。揺らぎがまだあるから。重ねたほうがいいんじゃないかな。重ねるよね。そうするともっとわかる。
――写本はアーカイブに公開していると思うので印刷してみようかな。解読してローマに送ってみるとか。
人間の形の木の実もあるからね。ほら、「十二国記」(小野不由美のファンタジー小説)にあるじゃない、人間の卵がなる木があるみたいに。
――不思議な絵だね。
それでね、うその絵も入ってる。なんだこれっていうものもあるよ。なんで入れているかはわからないけど。そこで(見た人が)何を得るかだね。
言葉だと決まりきった見方ではなくて、これとこれを組み合わせたらとか。特に星読みは。
一番わかりやすいのは京都の陰陽師の羅針盤みたいなやつ。それって二つ重ねてずらして表してるでしょ、それと似たような感じ。
でもほとんど「音」だよ。
――昔のミュージックですか?
そうではなくて、もっと根本的な音。サラサラサラ~とか。子供は風が見えるっていうでしょ。音で見る。風が通ったとか。
(続く)
(2021年11月)
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