制服から私服へ

コロナへの対応も、ワクチン接種の選択も、すべて個人個人の選択に委ねられるときが来ている。時代も大きな転換期を迎え、メッセージでも度々繰り返されるように、すべては社会の責任でなくその人の選択と自己責任である。例えてみれば、これまで考えずに着れた制服から、毎日私服で自分で考えなければならなくなった状況のようである。

――ふと思ったんですが、ずっと制服だった学校ってみんな考えないで服を着るけれど、いきなり明日から私服でと言われたら、みんな考え始めるじゃないですか。そういう感じ。

それそれ。

でも、それをしなくても考えてほしかったんだけどねえ。そこが、われわれさん、「う~ん~」ってところかな。手を出せないんですよ。

――イライラしてるんだ(笑)。

イライラはしてないんだけど、「う~ん~」

その人が泣こうがわめこうが、泣く必要もないし、怒る必要もないんだけどなあって。もうちょっとだから、そこじゃないからって。

――もどかしいんだ。 

そう、それ。

手を出せばできるよ、でもそうしたら成長しないじゃない。人間は成長したいものとして作られているし、自分の中の力や、自分の中の持っているものを試したがる動物であるからね。

ただ何かの刺激がないとそれが動かないというのが難だけどね。

――普通のことでも切羽詰まらないとやらないからねえ(笑)。

――それはありますね、何か風が吹かないと。

それで、風が吹くとね、ピーキャー言うでしょ。

――男性だってみんな背広とネクタイだったのが、誰も着なくなっちゃって。どんな格好で仕事するか考え始めてる。

(笑) 逆に言うと価値基準が変わったんです。

――本当に大事なものは何かって。それぞれ違うし。

お金のかけ方、気持ちのかけ方、見つめ方が変わってきたんです。それは気づかない少ない変化の中から。

――今、渦中にいるとどうしたらいいかわからないと騒いでるけど、ある線を引くところまで来たら、その前と後ではすごく違ってたという風になるんだろうね。

そうね。

――今まだそこまでの実感はないけど。

ないでしょうね。

――ではこのモヤモヤ感は渦中で変化しようとしているんですね。

そうです。今までの価値基準が変化をするだけでも、モヤモヤするじゃないですか。

新しい出来事だと感じているから。

――このモヤモヤ感は必要なのかな。

必要です。なぜかというと、まだ形になってないから。必ず形になるものだから。そしてそれは自分で形にできるものだから。感情でも言動でも、行動でも。

だからモヤモヤがある人は進化している人ですよ、大丈夫ですよってことなの。逆にモヤモヤがなくて、言われるままに「ハイ、ハイ」って言っているほうが怖いの。

(2021年5月)

 

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