毎年秋に新嘗祭(にいなめさい)という行事が行われているが、天皇の即位の年は大嘗祭(だいじょうさい)と呼ばれ、一代に一度限りという祭祀の中で最高の重儀とされている。一体、どういった準備が行われているのであろう。
陽の天皇
ー日本は天皇が変わり、大嘗祭が行われる。その影響、そこで大きな何か、本質的に何が起きるのか。神事が行われて、見えない世界にどう影響するのか、を本日のテーマにしたいと思っております!
(笑)それはわかったけど。漠然としすぎてる。
―え~、細かく切り刻んで、えっと…。
御代(みよ)替り、っていうのは、普通は天皇がお隠れになって次の天皇の即位になるから祝賀ムードではないよね。
でも今回は祝賀ムードでしょ。だから陽の気が強くなっているよね。だから「陽の天皇」って言えるよね。
―5月(2019年)は祝賀ムードで盛り上がったよね。
国民が酔いしれたよね。
でも陽極まれば陰となるし、陰極まれば陽となる。
その釣り合いを今後みんなが考えなきゃいけない時代にはなるでしょう。騒いだ後、祭りの後は寂しいものよね。
天皇が受けるテスト
―これから即位の礼とかあるしね。
その前に(天皇が)行かなきゃならないところもあるだろうしね…。
―え、どこへ行くんだ???
いろいろ挨拶もあるだろうしね。
そういう部分では人に知られないところの挨拶もあるしね。
古い神社さんとか、神社さんではないけれど、昔の、木を祀ったり、石を祀ったりした、社のない聖域みたいなところとかね。
そういうところに行ってテストを受けるんでしょ。
―え、テスト? さっきね、大嘗祭を失敗したりしないのかなあって、プレッシャーがすごいだろうなあって(笑)
大嘗祭は失敗しないよ。その前にテストがあるから。
必ずある。天皇さんは必ず受ける。男の天皇、女の天皇は関係なく。天皇というものを受け継ぐ、言の葉を紡ぐということなんだ。天の王だからね。
大嘗祭の前に受けるだろうね。
―テストに落ちたらどうなるんだろう。
病気になるね。
―今、元気そうだから大丈夫じゃないかな。
逆に元気になったんじゃないのかな?
―雅子様もお元気になったよね。明るくなったよねえ。それは、作法が試されるのではなくて、心が試されるんですか?
心だね。あのね、身体があります、心があります、作法があります。
そしてそれを扱うのは誰?
人だよね。
その人のルールの中で、天皇さんの所作は現代から見ると奇異なものだよね。まあ、昔も奇異なものに映っていたと思うよ。だいぶ現代風になっているけど、変えられないものは変わらないし、変えられないから。
人間の言う1,000年は向こうでいう3日とか4日とかだから、変えられるわけないじゃない。
―「向こう」って?
神々の世界とか、人間外の世界とか、それから時間を超越した世界だと思ったほうがいいかな。
(ここで何歩進んでといった儀式での所作は)それは人間のことでしょ。でも感覚でわかるでしょうね。
ここまでは人の入れるところ、ここからは人の入れないところとあって、人の入れないところにも入るじゃない。
その時に身体が反応するよね、そういう空間。そういう体になっているし、そういう人でないとできない。
だからこそ、天皇さんという名前がついているんじゃないかな。そういう立場。
―それ(大嘗祭の前に試されるテスト、挨拶へ行くところ)は伊勢とかではなく、名も知れないところとかもですか?
昔は伊勢だって名も知れないところだったよ。ここにこれ(神宮)を作りましょうってね。
(続く)
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